2021.04.30
弊社は2020年4月に創業150年を迎えるとともに、七代目 吉田泰之に代替わりをしました。七代目の想いのひとつである「ミライへ繋ぐ、持続可能な酒造り」を実践するにあたり、昨年よりみんな電力株式会社様とお話を進めさせていただき、2021年5月1日より弊社の使用電力を100%再生可能エネルギーへシフトすることとなりました。
もともと日本酒は秋から春頃までの寒い時期に製造され、あまり電気を使用することなく自然のサイクルと共に循環している産業でした。現在、気候変動の影響ももちろんありますが、私たちが理想とする酒質や製造計画を叶えるためにたくさんの電力が必要となってきています。この流れは弊社だけでなく、日本酒業界全体で進んでいます。より良いお酒を造るために製造現場だけでなく、貯蔵庫や輸送時も冷蔵状態を徹底。さらには酒販店や飲食店、ご家庭でも冷蔵で保管していただくお酒が増えました。これによりお酒は各段に美味しくなりましたが、20年ほど前と比べると多く電力を使うようになってしまいました(当社比)。造り手として、より高品質なお酒を目指すのはとても大切なことです。しかし、現状のやり方ではミライに繋ぐことが出来ないと思い、弊社では数年前から自然のサイクルから外れない酒造りへ少しずつ移行しています。
デマンドを設置し使用電力を抑制、自然のエネルギーを利用した冷蔵システムの導入、ソーラーパネルによる自社発電なども進めてきました。そして、今年の5月からは弊社の使用電力を100%再生可能エネルギーへのシフトし、自然に優しい酒造りをさらに進めていきます。今回の自然エネルギーへのシフトはコスト面の負担や様々なリスクもありますが、蔵の周りの自然を守り100年先もこの地で酒造りを続けたい想いと、電力製造による地球温暖化のジレンマを少しでも解決したいという想いで決めました。弊社では継続可能な限りこの取り組みを続けていく所存です。
また、みんな電力株式会社様では弊社との契約を皮切りに北陸エリアでのサービスを開始。5月から法人向けサービスを開始され、8月には個人向けサービスも開始予定とのことです。
気候危機に対し、何ができるのか同じ北陸エリアの方々とも手を取り合い、学び合いながら、様々なアクションを起こしていければと願っております。
【みんな電力株式会社様について】
大手印刷会社で新規事業を担当していた大石英司が、再生可能エネルギー事業会社として2011年に設立。2016 年に発電者と生活者をつなぐ電力小売りサービス「顔の見える電力™️」を始めるなど、「納得感を持って選択する」という体験の提供にこだわり、2020年には清潔な空気環境の選択につながる空気環境改善事業「みんなエアー」を開始。今後もソーシャル・アップデート・カンパニーとして、独自のブロックチェーン技術を基盤とした「顔の見えるライフスタイル」の実現を目指す。2020年、第4回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞を受賞。
【電力事業における特徴】
(1)電気の生産者と購入者をつなぐ電力小売サービス「顔の見える電力™」
現在約500の再エネ発電所と契約し、発電者の顔やストーリーを当社HPなどで積極的に開示しています。法人向けにはブロックチェーン技術を活用したP2P電力トラッキングシステムで、発電源を特定した再エネ電力の供給も行っています。
(2)納得してお支払いいただくための電気料金透明化
毎月の電気料金の内訳を1円単位で契約者にお知らせし、支払う電気料金が再生可能エネルギーの発展につながっていることを実感していただくサービス「超明細」を提供しています。
2021年4月30日
株式会社吉田酒造店