― 明治3年創業以来、頑なに手作りに徹し、
この酒造りの村「山島村」の伝統を守り続けています。
酒造りはお米、水、微生物と言った自然の恩恵を受けて初めて可能となります。
美味しいお酒造りを続けていく為には、地元の自然を守り、
良質で安心なお米を提供してくださる農家さんとの連携はかかせません。
玄米の外表部を削り取る工程。
外表部にはたんぱく質、脂肪、灰分、ビタミン類が多く、酒質を劣化させるため、
これらの成分を減少させることが目的です。
又、精米歩合とは、玄米の重量に対して糖を除いた白米の重量の割合のことであり、
大吟醸酒は精米歩合50%以下、吟醸酒は60%以下、本醸造酒では70%以下です。
洗米により白米の表面に付着している糖を洗い流し、
浸漬により白米に適度の水を吸収させます。
白米の吸水率は蒸米の品質に大きな影響をあたえます。
当社では、白米の糖切れを良くし、吸水率を徹底管理するために、
回転式自動洗米浸漬装置を導入しました。
この事により、蒸米の品質が向上し、安定した蒸米を得る事が出来るようになりました。
白米を蒸し、蒸米にする工程。湯気が天井に向かって盛大に噴き上がるその姿は壮観です。
蒸米にすることにより糖化酵素の作用が受けやすくなります。
又、加熱により殺菌が行われるので以後の醸造工程を安全に行うことが出来ます。
蒸米に種麹をふり、麹(米こうじ)を造る工程。
麹には蒸米を糖化させる酵素が含まれています。
「一麹、二もと(酵母のこと)、三造り(醪のこと)」といわれるように、
酒造りにおいて非常に重要な工程です。
優良清酒酵母を純粋に大量に培養するための酒母(「もと」ともいいます)を造ります。
酒母は仕込み方によって「速醸系酒母」と「きもと系酒母」
(「山廃」はきもと系です)に大別されます。
きもと系は速醸系に比べ酸味やコクが出やすい傾向があります。
醪の仕込み工程では、効率良く酵母と乳酸の発酵を促すため
三段回に分けて仕込むのも日本酒造りならでは。
それぞれ、一回目を「初添(はつぞえ)」、二回目を「仲添(なかぞえ)」、
三回目を「留添(とめぞえ)」と呼ぶ。
この工程により、糖化酵素によって造られたブドウ糖が酒母はたらきによって
アルコールになり、清酒の香味成分の大部分が整っていきます。
たった一度の発酵で高アルコールを生むのも、日本酒の特徴の一つ。
夏の米作りから始まった酒造りは、年を越していよいよ搾りの時期を迎えます。
発酵が終わった醪を酒と酒粕に分け(上槽)、
そしてろ過、割り水、瓶詰めの工程を経て出荷を待ちます。
こうして、様々な工程を経て出来上がる、私たちの「手取川」。
美味しいお米を作ってくださる農家の方々、美味しい状態でお客様にご提供して頂ける酒販店始め流通の方々、
ラベルやキャップなどを提供して頂く業者の方々、そして「手取川」を選んでくださるお客様―。
すべての人に、感謝の気持ちを込めてお届けいたします。